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お知らせ

2023/01/11

兵鍼会報第251号

兵鍼会報251号

以下、テキスト版となっております。


兵鍼会報 2023年1月号 第251号

★☆新年のごあいさつ☆★

会 長 賀内 進一

謹んで初春のお慶びを申し上げます

 会員の皆様には、健やかに新春を迎えられたことと、心からお慶び申し上げますとともに、日頃から県師会に対し深いご理解と格別のご協力を賜り厚くお礼申し上げます。

 昨年は新型コロナウイルス感染の為、1年遅れの法人認可70周年記念講演および式典を開催することが出来ました。戦後まもなく(昭和22年9月)先輩達が前身である兵庫県鍼灸按摩師会を立ち上げて下さいました。そして昭和26年11月に兵庫県から社団法人の認可を受けました。多数の先輩達の努力の積み重ねがあり、現在の公益社団法人兵庫県鍼灸マッサージ師会があります。私達も将来の鍼灸マッサージ師の為に受け継いでいかなければなりません。

 まだまだ新型コロナウイルス感染も終息を迎える兆しが見えませんが、これからはコロナウイルスと付き合っていかなければなりません。感染対策を十分行ないながら、学術事業・啓発事業等を運営していく所存です。会員の皆様のご協力がなくてはなりません。是非とも皆様のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。

 結びに、本年も会員皆様方にとりまして幸多い一年でありますよう祈念申し上げ、年頭の挨拶とします。

 

【第21回東洋療法推進大会in埼玉参加レポート】

     副会長 天野豊

 令和4年度東洋療法推進大会in埼玉が10月23日(日)/24日(月)、埼玉県熊谷市の四季の湯温泉 ホテルヘリテイジにて開催された。本年度もハイブリッド形式で行なわれ、本会からは23日に12名、24日に9名がズームで参加した。

 今回の大会から分科会形式をシンポジウム(意見交換)形式に変更し、大会テーマに「変えよう! 変わろう! 将来の鍼灸マッサージ業界」を掲げ参加者全員が一つのテーマに意見を出し合い、厳しい発言もありましたが、これまでより一層アットホームな大会であったと感じた。

 詳しくは月間東洋療法をご覧頂くとし、ここでは簡単な報告を下記に示します。

 

【23日】

 12時より開会式が始まり、来賓の挨拶のあと12時40分より特別講演が行なわれた。

 講題を「心と身体の健康と養生」~医療の将来展望~とし、講師に帯津三敬病院 名誉院長 帯津良一先生を迎え約90分の講演を聴いた。

 内容は、医師になって61年。ホリスティック医学を中核とし、気功道場を院内に開設し、医療と養生の統合、生と死の統合を説き患者さんと向き合っていると話された。

 先生は西洋医学の限界を感じ、命の場である東洋医学と西洋医学を合わせることで理想の医学になるのでは?と考え北京で中国医学を勉強。帰国してから気功の勉強をし、丹田呼吸法習得、今でも1日1回は太極拳を行なっていると言う。

 また、「生」を全うするためには「トキメキ」を感じなければいけないと言う。先生のトキメキは、①トキメキのチャンスを逃さない(死に対する恐怖を和らげ、楽しいことを行ない自然治癒力を高める)。今日が最後だと思って生きよ(悔いを残さないように生きる・毎日最後の晩餐)。②講演会を行なうこと。③原稿を書くこと。④異性にときめく。ここまでが心の養生で、体の養生として呼吸法(太極拳)を行なっていると言う。

 私が感じたのは、ようするに生ある者は必ず死が訪れるので、日々を楽しく「生」に悔いを残さないように楽しく過ごせば、自然治癒力や免疫力が高まり最後の日を怖がらずに迎えることが出来れば「生を全うした」と言えるのではないかと思った。

 

  続いて、14時30分~16時30分 シンポジウム①が行なわれた。

 「現状と課題」を題材に司会者が会場やズーム参加の会員から意見を求め、パネリストが回答する形で進められた。

 多くの意見交換がありましたが、一部抜粋して紹介します。

 

  • 過去を尊重し、現在を踏まえ、未来へどう繋げて行くか?

・新開業される若い方の技術向上に向けての意見を求む。

・相互施術研修。(新旧会員がペアになり技術研修)

・学生を鍼灸院へ招いてマンツーマンで指導する。(広島の先生=1日2千円)

・学生を引き受けるために学校より経費を負担してもらうように願う。

・病院での実習費は、PTの実習は1日1500円程(月3万円ほど)

・広島にマッサージ科は無いので新設して欲しい。

・マッサージ科が無いので無資格者が増えるのではないのか?

・マッサージ科を増設しても無資格者は減らない。

・学校は増やさなくても移転やズーム授業が出来れば遠方の人も資格を取れるのでは?

・所得が少ないので学校も学生を社会へ出しにくい。(銀行では年250万査定)

・トレーナー業をしている方(鍼灸マッサージ柔道整復)=接骨院を廃業し鍼灸の自費に切り替えたら4割の患者が減ったが、エコーを使った鍼治療で儲かっている。

  • 広告問題、19条問題や無資格問題で意見交換があった。

・我々がレベルアップや営業をアピールして行く方向へ。

・免許保有者証の提示を義務付ける等。

・無資格を排除するのでは無く、業団の価値を上げる。

  • 組織強化について

・全国でも1万人を超える会員が無ければ力が発揮できない。(現在6千余り)

・他団体との統一はできないのか?(特に全鍼会と日鍼会)

 等の意見交換があった。

 

【24日】

 前日の続きを9時00分~11時00分 シンポジウム②として開催された。

 2日目は「変えよう!変わろう!将来の鍼灸マッサージ業界」として意見を出し合った。

 まずは、訪問マッサージの有効性と安全性について10件の施術所、469件のデータから分析・解説があった。

・症状を10段階。要介護度は5段階。ADLは15項目で5段階評価。

・平均80.2歳。女性が3分の2。

・脳血管疾患が一番多く約3分の1。自立はしているが外出は単独で出来ない方が多い。

・1年の施術で大きな変化は出ていない。

  • 有害事象について考える。

・96件(約2割)の有害事象が発生。

 (痛み・打撲・痺れ・骨折)

・半数は変わりなく、良くなったが4分の1。悪くなったが4分の1。

・初診時に筋萎縮があり、要介護の低い方に改善の見込みが多い

 (他のリハ等を受けている/7割が訪問リハやデイサービスを利用。)

 

次に、各部より意見や問題点を投げかけられた。

(学術部)確りとした技術を持ち、サービス等経営のノウハウを身に付けないと食えない職業になってしまう。

(保険部)メリット・デメリットの両面から考え、19条問題や新設学校、無資格問題を考える。無資格は保険施療ができない。2025年より後期高齢者の数が減少するのに対し、マッサージ師を増やすことは必ずしも発展に繋がらない。

(法政部)あ・は・きは医療類似行為であると安倍首相時代に趣意書に上げられている。その中で差別化を図る。広告ガイドラインはコロナでしばらく行なっていない。「治療院」は使えないと厚生労働省の理解に対して使えるように交渉中。

(組織力強化)国会議員の顧問は何故必要か。政治力が無ければ何も改善しない。

 

・各都道府県でも議員との交流を密にして欲しい。

・子ども家庭庁(自見はなこ議員)周産期医療に入り込めないか?交渉中。

・職域拡大(健康経営参入)

・介護施設における腰痛に対しても介入の余地有り。

・ヘルスキーパーで企業に入るのは困難(障害者雇用)

・戦前(灸が主だった)の業界から業団が起こしてきた鍼灸師会や学校(盲学校を含む)や法律を作ってきた歴史を語られた。全鍼・日鍼・日マの3団体が最初の法人化。

・各団体は統一の方向で考えてはいるが難しい。

 (解決していない問題が多々ある。)

 

11時10分~閉会式

  大会旗 引継ぎ(埼玉県師会→岩手県師会)

 

 

【法人認可70周年記念講演・祝賀会報告】

 11月20日午前11時より、新長田の神戸飯店にて1年遅れの法人認可70周年記念講演・祝賀会が開催された。

 まず最初に賀内会長のあいさつがあり、本来なら昨年度に行なわれる予定でありました法人認可70周年記念も新型コロナウイルス感染拡大の影響で規模を縮小し1年遅れの開催となったこと。本会が昭和22年9月に兵庫県鍼灸あん摩師会として設立され、昭和26年に兵庫県鍼灸あん摩組合として法人認可を受け、今日に至ること。感染症対策を十分に取り事業を開催して行くのでご協力をお願いしたいと話された。

 

 第一部に、大阪市立大学医学部名誉教授 井上正康先生をお招きし、記念講演が行なわれた。

 会場のほぼ全ての人がマスクを着用しているのを見て、海外ではほとんどの国がノーマスクであること。マスクは古来奴隷の猿轡としてはじまったこと。マスクを3時間も付けていればマスクの内側はとんでもない数の細菌が増殖しパンツより汚いこと。歴史を振り返り、初代コロナウイルスが130年前にロシア風邪、インフルエンザが100年前にスペイン風邪としてパンデミックを起こしたこと。いずれも第一波で終息したこと等を海外の最新医学誌や論文から科学的に分析し、いま日本が置かれている状況についてわかりやすく解説してくださった。また、ワクチンのリスクを正しく理解し、ワクチン接種を止めている国が多く出てきているのに対し、日本ではワクチンを買いあさり何兆円もの予算を使い国民に投与し、抵抗力や免疫力を下げていると嘆いておられた。

 井上先生の話を聞いていて、傍目を気にする日本人の愚かさを垣間見た気がしました。

 私が患者さん(特に高齢者)に良く言っているのは、「連日各局で報道される感染者数や死亡数を毎日、聞かされ、メディアに洗脳されているので、TVや新聞でコロナ状況はあまり見ない方が良い」「毎日鼻うがいをする事」「毎日散歩をすること」などです。患者さんに、あまり専門的なことを話しても覚えられないので、簡単に出来ることから行なってもらっています。

 

 新型コロナウイルスについて詳しく知りたい方は、井上先生の書籍を買うか、月間東洋療法312号 医者いらず 健康長寿処方箋(75)より現在も連載中です。読み返して見るのもいいですね。

 

 

【各種表彰】

★兵庫県鍼灸マッサージ師会 会長表彰

  井上和哉氏(神戸) 宇仁菅一郎氏(垂水) 金沢弘明氏(北播磨)

  木村慎一氏(神戸) 高野好美氏(神戸)  中村芳貢氏(加古川)

  難波正博氏(姫路) 西田大祐氏(神戸)

 

★公益財団法人 東洋療法研修試験財団理事長表彰

  天野 豊氏 (姫路)4回目  井上和哉氏 (神戸)1回目

  宇仁菅一郎氏(垂水)1回目  小川結子氏 (神戸)1回目

 

 今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。

 

 

【小野ハーフマラソン マッサージボランティア参加レポート】

  報告者:藤井カンナ

 今回、初参加しました。マラソンの出発の合図がしてから、1時間ほどで一人入ってきたかと思えばあっという間に5床埋まり10時前から14時過ぎまでぶっ通しで7人が順繰りで施術を行いました。

 最初に賀内会長から施術を教わり、ストレッチ方法(足首の向きでどこの筋肉に効くなど)や運動直後のランナーは弱めの押圧で良いと的確なアドバイスを頂いたおかげでとても勉強になりました。まだ、使い方が慣れていなかったのか、終わった後の自身の筋肉痛がありました。他の先生の施術を見ることも新鮮でよく見て学ばせて頂きました。

 短時間のストレッチと直後のマッサージで次の日の筋肉痛の具合が変わってくるので、応急処置にはなりますが一所懸命させてもらいました。特にハーフを走ったランナーさんは、ストレッチがすごく効いている表情をしていて、自分では出来ない範囲までやってくれることを喜んでいるようでした。鍼灸マッサージ師会としては3年ぶりで、いつもより負傷していたランナーが多かったようです。今回は貴重な体験をさせて頂き、ありがとうございました。

 

 

【地区便り】

《垂水生き活き保健福祉フェア報告》

   垂水地区 宇仁菅一郎

 あいにくの天候となりましたが、2022年10月7日(金)10:00~12:00 垂水区役所302号室において、わたしたちの会としては3年ぶりに、この保健福祉フェアに参加しました。

 コロナ前は、対面での鍼とマッサージの施術が中心でしたが、今回は初めての講座形式で取り組みました。「東洋医学で介護予防」と題しまして、2題の講演を計画しました。

 前半は「腰痛は二足歩行の宿命」と題して、元垂水地区長の北川忠司先生にお話をしていただきました。

  • 腰痛予防

【1】骨盤のまわりの筋肉を鍛える

【2】疲れて硬くなった筋肉や、骨組を固定する靭帯は、ストレッチやマッサージで柔軟にしておく

【3】関連のエクササイズ

【4】腰痛において注意したいこと

これらに関して40分程度の限られた時間となりましたが、講演いただきました。

 後半は「介護予防のための筋力強化エクササイズ&ストレッチ」と題して、県師会会長の賀内進一先生に、椅子に座ってできるものやベッドを使っての実践など、限られた時間の中で指導をしていただきました。

 朝起きる時のふらつきのある方も、ない方も、まずはうつぶせの姿勢をとり、両手で体を起こし頭をあげて、膝を寄せて四つん這いになってから起き上がると、しっかりと立ちあがれるとのこと。手首・足首を回したり、足指のグーチョキパーも効果的。これらをコンパクトにまとめてお話しいただきました。

 講演と合わせて、それぞれフロアー参加者からの質問にも、講師の先生方には答えていただきました。講演の合間に「保険取り扱いに関すること」「高齢者福祉割引券のこと」等のインフォメーションもさせていただきました。

最後に、主催者側の区社会福祉協議会の方よりご挨拶をいただき、とても充実したひと時となりました。

参加者は会員9名と一般参加者16名でした。

 

 以下に参加者からのアンケート感想の一部を掲載させていただきます。

・期待していた以上に、素晴らしい内容でした。今日、学んだことを今後の生活に活かしていきたいと思った。(75歳 男性)

・大変良かった。特に色々な質問に答えていただきありがとうございました。我々、年金生活者では保険適用でないと受診できない。定期的にこのような講座を開いていただきますよう宜しくお願いします。(76歳 男性)

・非常に良かったです。北川先生の身体についての講義は非常に参考になりました。賀内先生のストレッチもすごくわかりやすく、すぐこれからも継続するようにいたします。

ありがとうございました。(70歳 男性)

・大変、けっこうな時間でした。ありがとうございます。今は実行したいなと思います。(90歳 女性)

・昨年4月に、ヘルニア すべり症 狭窄症で手術をして一年半になります。腰の骨にボルトを入ています。今はリハビリケアに行っています。今日の教えていただいたのをこれからも頑張って励んでいきます。アリガトウ御座いました。(78歳 女性)

・実践がためになり良かったです。最後のおまけの朝起きる時のうつ伏せで頭を上げ、ゆっくり立ち上がることによる効果で便秘が改善できるようで良い情報でした。(71歳 女性)

・筋力をつけることは大切。今日教えていただいたことを少しでも行っていきたい。(67歳 女性)

・毎日の中で取り入れたい。体操がんばります。親にもストレッチを教えます。講師の方が同じ高さだったので、後列に座っていたので足元が見えず残念でした。(60歳 女性)

・実際に、その場で体を動かすのが良かったです。家でも取り入れていきたいと思います。保険が使えること。そのためには医師の同意書が必要なこと等、知っている治療の幅が広がるので教えていただけて勉強になりました。(51歳 女性)

                                    

 以上が主な感想でした。

 今回初の試みで垂水として啓発事業に取り組んでみました。運営の仕方の問題は多々あるかとは思いますが、初めての実施としては講師を引き受けていただいた先生方のおかげで、大変有意義なひとときが持てたのではないかと思います。実際に施術を受けていただくことの大切さとともに、このような講座を通してのPRも大切だと感じました。

 

 

《第47回 西宮市民祭り』のご報告》

   横山善人

 2021年は動画を使う団体紹介という形での参加となりましたが、中止となる2019年までは会員総出によるマッサージ奉仕が恒例でした。

 3年振りとなる今年は10月22日(土)、これまでと同じく市役所本庁舎前にて開催。当会では昨今の状況を考慮してマッサージ奉仕では無く、自治体補助券・保険や訪問施術・会員施術所の案内といった広報活動に絞り込み、少人数体制(5人)で行ないました。またセルフケアを目的にテニスボールと具体的な使い方を図示したものを作成、更にセイリン(株)、

せんねん灸(株)より『こりスポット』と台座灸を準備、約170人の方に配布させて頂きました。

 2019年まで同じだったブース位置は大きく移動、開催時間も短縮されての開催でしたが個別相談等、有意義な時間となりました。この結果を踏まえ、次回に向けて内容を再検討したいと思います。参加された会員の皆様、お疲れ様でした。

 

 

《神戸地区講習会報告》

   報告者:井上和哉

 去る令和4年11月23日(水・祝)に雨天が心配される中、神戸鍼灸マッサージ師会及び一般社団法人 整動協会共催にて「2022年特別講座 はじめての整動鍼 in 神戸」が兵庫鍼灸専門学校実習室とオンライン配信のハイブリッド方式で開催されました。今回の講習会は共催であること、対面とオンラインライブ配信、更に有料講習会と初めての試みであり、受講者が集まらないのではないかという不安がありましたが、整動協会のご尽力もあり、対面は定員の25名満席(当日欠席1名)、オンライン配信においては67名の合計92名のお申し込みがありました。

 当日は整動協会 代表の栗原誠先生、撮影、アシスタント講師の岡本先生のお二人に群馬県伊勢崎市よりお越しいただき、13時30分より講習会を開始しました。今回は限られた時間での講習会であるため、実技を中心に講習会は進行しました。

 

 整動鍼とは動きをツボで整えることで、運動器疾患のみならず、自律神経症状、アレルギー疾患、内臓疾患に至るまで幅広く対応できる鍼灸理論(公式website https://seidonet.or.jp/ より)です。特に身体の動きに着目することで運動器疾患への対応がガラリと変わります。「痛みの緩和」から「痛みの原因である動きの不調和を正す」という発想に切り替わることで、より根本的なアプローチが可能になります。

 また、整動鍼の特徴としては革新性、即効性、再現性、シンプル、少数鍼、短時間施術といったことが挙げられます。革新性は上記にも記載しているように身体の動きに着目した点で、今までの鍼灸理論にはない着眼点であり、瞬時に動きに変化が現れることから患者、施術者双方にわかりやすく、効果判定も容易に行えます。また身体の動きの変化だけでなく、症状に対しても著効が現れることもあり必要以上に刺激をすることなく短時間で施術が完了します。そして、重要な点としてツボの位置と取穴です。整動鍼ではツボの位置がミリ単位で細かく設定されており、ツボの位置を共有することで施術者間の技術差を極力少なくし、施術効果の共有、検証を行うことで施術効果の再現性が高くなります。そのような点も踏まえ実技練習が中心の講習会となりました。

 

細かい理論については配布されたテキストを後ほど学習していただくようにし、栗原先生がモデル患者にまずはデモンストレーションで実際に施術を行い、その後3人一組で施術ベッドに戻り各ベッドを栗原先生が順にまわりながら取穴部位などの指導を行っていただきました。

今回は整動鍼の施術方法の一部ということにはなるのですが、①頚椎7番のスタビライザー効果 ②仙腸関節と顎関節 ③肩甲骨内上方と仙腸関節 ④肘関節と肩甲骨内上方 ⑤後頭骨下端と仙骨上端 ⑥うなじとアキレス腱 ⑧手足と腰椎について実際に鍼を行い、それぞれが身体の変化を体験できました。また、取穴の重要性を再認識したのではないでしょうか。今回の実技内容だけでもかなり多くの方の施術に適応できますし、即臨床現場にフィードバックできる内容であり、大変有益な講習会になったと思います。

 

 最後に学術担当者として、早朝より遠方からお越しいただいた栗原先生、岡本先生に改めて感謝申し上げるとともに、当日の運営にご協力いただいた神戸鍼灸マッサージ師会の役員の先生方、会場をご提供いただいた兵庫鍼灸専門学校に御礼申し上げます。

 

 

《姫路地区講習会報告》

  報告者:天野 豊

 12月11日(日)午前9時より姫路市民会館4階第6会議室にて、姫路保健所防疫課係長の織田様にお越し頂き感染症について深く勉強しましたのでご報告します。

 まず最初に感染症ガイドラインと現状の感染症対策を組み合わせて4つの項目に分け説明された。

1.感染症の分類

 感染症は1類から5類に分かれており、新型コロナウイルスは違う法律で分類されているが2類相当とされていること。1から4類は診断した病院が名前などの個人情報を保健所に連絡を入れるもので、5類は性別と年齢のみが報告されることになっているとのこと。(具体例は下記に示します)

1類:エボラ出血熱のように感染するとほぼ死に繋がるもの。

2類:人から人へ感染し、重篤な症状になる可能性のあるもので、結核などが代表的。

3類:人から人へ感染し、特定の仕事に着いている人は気を付けなければいけないもので、代表的な病気はO-157(腸管出血大腸菌)。

4類:人から人へのものでは無く、虫から人や物から人へ感染するもので、レジオネラ菌などが代表的。

5類:梅毒や感染性胃腸炎(ノロウイルス)などのように治療法が確立されているもの。

※我々の業種で気を付けなければいけないのは、結核・コロナ・ノロウイルスと言われた。

 

2.基礎知識

 細菌やウイルスが体内に入り病気になるものではあるが、病原体の種類や個々の免疫力の強さ、過去に感染したことが有るか無いか、ワクチンを接種しているか否かで無症状なものから重篤なものまで様々。

 感染症は必ず潜伏期があり、オミクロン株では潜伏期間が2.8日。下痢・嘔吐・発熱があれば発症という。ノロウイルスは10個で感染するが、コロナウイルスは100万個単位でなければ感染しないと言われている。結核菌では、数年から数十年と潜伏期間が長く、子どもの時に感染したものが70歳や80歳を過ぎてから発症するものも多いとのこと。

 感染症が成立するには、感染源・感染経路・宿主の3つが必要で、これら1つでも潰せば成立しない。

 

3.注意すべき感染症

①コロナとインフルエンザの同時流行の恐れが大であるが、発熱・喉や節々の痛み等症状がほぼ同じなので、検査を受けないと症状だけでは鑑別診断が出来ない。

②コロナウイルスは、エアロゾル感染すると最近言われるようになった。

※重症化は5%から0.1%に減少。

③O-157(100個ほどで発症する)。消毒は逆性石鹸やハイターなどが有効。

※下痢止めを服薬すると悪化する恐れがあるので受診すること。

④感染性胃腸炎(代表:ノロウイルス)

⑤結核(発症数は少ないが、やっかいな病気)

 

4.感染症対策

・快食・快眠で自らの免疫力を高めること。

・接触には手洗い。(流水で15秒洗うだけでウイルス残存数は1%)

※石鹸で15秒手洗いするとウイルス残存数は0.01%

・飛沫には不織布マスク。(7割が防げる)

・換気(1時間に5分程度対角線上に窓を開ける)

※空気の流れが無い場合はサーキュレーターなどを使用する。

・空気清浄機。(ヘパフィルター)

※ヘパフィルターとは、空気の粒0.3マイクロメートルが99.97%取れる物(JIS規格)

・空気が乾燥しているので加湿器を置く。

・2価ワクチンは重症化を防ぐだけで無く、短期間の発症予防も兼ねている。

・口腔ケアをすることで発症率を10分の1にできる。

 

 今期はA型のインフルエンザが流行するとのこと。A型は144種類あるのでワクチンが必要。B型は2種類なのでたまに大流行する。C型は一度発症すると生涯免疫を獲得するのでワクチンはいらないと言われてました。

 基礎疾患がある方で特に喫煙をされている方がインフルエンザもコロナも重症化しやすいとのこと。

 よって、普段から規則正しい生活をすることに加え、感染症対策を取ることで何も脅威を感じること無く日常生活を送れるのではないかと思った。

 

【広報部からのお願い】

月刊情報mAm(マム)メールアドレスの登録をお願いします。

 

 3か月ごとの兵鍼会報では間に合わない情報や緊急を要する情報(臨時情報mAm)をメールにて配信しております。このmAmは、PCを持たない方でも携帯のメールアドレスを登録して頂ければ受け取る事が出来ます。

 現在、約100名の会員様に登録して頂いておりますが、登録されていない会員さんの方がまだ多くいらっしゃいます。

是非、登録のほど宜しくお願い致します。

 

※登録先

mail:info@mam-hyogo.or.jp 

件名:mAm配信希望

本文:所属地区名と氏名をご記入の上、送信してください。

 

[会員情報]

令和4年9月21日~12月12日

新規入会 0名、退会 3名、令和4年12月12日現在 268名

 

【編集後記】

 新年あけましておめでとうございます

本年度も美味しい情報を届けられたらと思っていますので、宜しくお願い致します。

 

 今回は、今の季節にピッタリの簡単レシピをご紹介します。

ご飯のおかずにも、お酒のあてにも出来、誰でも簡単に作れてとても美味しいですよ。

是非、チャレンジしてみてください。

 

 《鶏のみぞれ煮》

‘材料’(2~3人前)

1.鶏もも肉・・・1枚(約250g前後)

2.大根・・・・・鶏肉とほぼ同量

3.めんつゆ・・・大根の5分の1(4倍濃縮 約50ml)

4.塩こしょう・・少々

 

‘作り方’

1.鶏肉を一口大にカットし、塩こしょうをする。

2.熱したフライパンに油を引き鶏肉を焼く。

3.大根をおろし金でおろす。

※おろした際の水気はそのまま使うので捨てない。

4.鶏肉が焼けたら大根おろしとめんつゆを入れて煮る。

5.大根が半透明になれば出来上がり。

※お好みで、きざみネギや白髪ネギを添えれば見た目にも美味しそうですね。

 

♪美♪味♪し♪く♪召♪し♪上♪が♪れ♪

 

 

【発行所】 公益社団法人 兵庫県鍼灸マッサージ師会

一般社団法人 兵庫県保険鍼灸マッサージ師協会

 

〒673-0018 明石市西明石北町3丁目8番15号

TEL (078)-926-0801   FAX (078)-926-0802

mail  info@mam-hyogo.or.jp

URL  https://mam-hyogo.or.jp/

 

【発行者】会長 賀内進一 【作成】広報部長 天野豊 【編集】木村慎一

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