2024/01/16
兵鍼会報第254号
以下、テキスト本文です。
兵鍼会報 12月号(第254号) (2023年12月発行)
【第22回東洋療法推進大会in岩手参加報告】
副会長 天野豊
令和5年10月15日(日)・16日(月)の2日間に渡り、岩手県盛岡市のアートホテル盛岡にて、第22回東洋療法推進大会in岩手が開催された。
本会からは理事の天野、木村、宇仁菅、小川が現地参加し、賀内会長、理事の櫻井、中村、高野監事、会員の井上がズーム参加した。
本年度は大会テーマに「イーハトーブの郷(さと)から 広めよう!伝えよう!あはきの魅力」(イーハトーブとは、宮沢賢治の心象中に存在した理想郷の名であり、岩手県の美称のこと)を掲げ、特別講演に経済学博士/МBA/関西医療大学 フェムテック寄附講座 特認教授 菅万希子先生をお招きし「鍼灸マッサージにおけるフェムテックの展望」を拝聴した。
ビデオによるコメントではあったが、京都大学大学院 健康情報学附属病院倫理支援部 教授 中山健夫先生より西洋医学とは違った視点から鍼灸マッサージの専門職だから可能な洞察をもって、女性だけでなく人間全体の健康に光を当てていただきたい等の応援メッセージをいただいた。
菅先生は経済学者なので、専門外の立場から違った切口で女性特有の更年期等についてご自身の意見を交えながらお話をされていた。
例えば、生理痛は病気ではないが、強い痛みにより仕事や生活に支障を来すことがある。ホルモンのバランスが崩れ人生を左右するほどの不定愁訴に見舞われる。これらの症状を持つ人のホルモン因子や性格因子等を分析し、エビデンスを確立させ、少しでも女性特有の症状を緩和させれるかを研究されている等。
我々の業種は、この不定愁訴の治療を得意とするところではありますが、エビデンスを得るのが難しい業種でもあります。そのためにデータを1つでも多く集め、鍼灸マッサージは有効な治療手段であることを世間に知っていただくためにアンケート調査の協力を願っておられた。
続いて、全鍼師会副会長・保険委員長 往田和章先生による「療養費改定とマイナカード資格確認等について」の現状を拝聴した。
マイナ保険証を鍼灸マッサージ師や柔整師が取り扱うためのアプリが出来ることになっており、マイナポータルを経由せず直接保険証データベースにアクセスする仕組みが考えられているとの事。そのための資格確認を取るためには2つの条件を満たさなければいけない。一つは、受領委任の届け出をしている事。もう一つは、使用する端末(PC・タブレット・スマホ)は個人名義であっても構わないが、仕事専用の端末である事の認証を受ける必要がある事。(受領委任をされていない施術所は取り扱いが出来ない。)
但し、端末にはカードリーダーの機能が付いている物でなければいけないが、付いていなければ別途購入する必要がある(補助あり)。
手順としては
①ポータルサイトにアクセスしユーザー登録をする。
②端末にアプリをインストールする。
続いて来年度の療養費改定について話された。都心部においては最近療養費の取り扱いが異常なほど伸びており、マッサージ師の初任給が月30万前後まで跳ね上がってきているとの事。マッサージに関してはピークに近いところにあり、いずれ抑制されるのではないかと懸念されていた。その他、往療費では4㎞超過の廃止が予定されている事。この廃止に伴い、離島や過疎地においては新たな加算の創設が予定されている事等が話された。
そして、シンポジウム(1)は、組織委員会と将来ビジョン検討委員会による「イーハトーブの郷(さと)から広めよう!伝えよう!あはきの魅力」のメインテーマの下、事前に受けている8つの質問に対しパネルディスカッションが行なわれた。
翌日は、シンポジウム(2)法制「広告ガイドラインと無免許問題」として、法制委員会のメンバーがシンポジストとなり、厚生労働省医制局医事課から景山専門官をお招きし、現状報告と今後の展望を話された。
詳しく内容を知りたい方は、月刊東洋療法355号をご覧ください。
【広報部からのお願い】
広報部では、毎月発行しておりますmAm(マム)以外にも、臨時情報として細かく情報を開示しております。昨年度は臨時情報として一昨年の20回から39回に、今年度は上期だけで21回発行しております。勿論、県師会のホームページにもアップさせていただいておりますが、一早く情報を受け取りたい方やホームページを見るのが苦手な方は、是非メールアドレスの登録をお願い致します。また、パソコンをお持ちでない方でも携帯は持っていると思います。携帯のメールアドレスで構いませんので、登録をお願い致します。
※登録先
mail:info@mam-hyogo.or.jp
件名:mAm配信希望
本文:所属地区名と氏名をご記入の上、送信してください。
また、パソコンに精通されている方は、ホームページ画面上のお問い合わせからお願いします。その際、ご相談内容の欄に「メールアドレス登録希望」と入力してください。
注)「迷惑メール防止設定」をされていると事務局からのPCメールが受信できませんので「設定を解除」されるか「指定受信設定」にして下さい。
宜しくお願い致します。
★夏期大収録DVDについて
本年度も学術講演会(夏期大学講座)の収録DVDを1,500円で販売しております。内容は、3日間の録音(mp3)に加え、写真(JPG、実技の一部を動画(MOV)、兵鍼講座45(docx)も納めております。プレクストークや.mp3対応CDプレイヤーで聞かれていた方には視聴出来なくなりますがご理解の程、宜しくお願い致します。
尚、パソコンでの視聴とはなりますが、購入後ご自身でデータを移しプレクストークや.mp3対応プレイヤーで聞く事は可能です。
収録DVDのご購入は県師会事務局までご連絡ください。
《夏期大学講座報告》
夏期大1日目レポート 加古川地区 山口 尚代
7月23日(日)令和5年度 夏期大学講座が開講した。今年のメインテーマは「ニーズに合った鍼灸マッサージ師を目指して」。開講式後、午前は明治国際医療大学 鍼灸学部教授 廣正基先生による「高血圧症に対する鍼灸治療」、午後からは理学療法士 松本元成先生による「肘・手関節の筋肉とスポーツ障害の関連について」と題した講演を行った。
午前の講演1では高血圧の病態をまず教わった。血圧とは血管内の血液が血管壁にかかる圧力で、心拍出量×末梢血管抵抗で求められる。血圧は絶えず変動し、計測したときの数値が高値であったとしても、高血圧症であるとは限らない。毎日同じ時間に条件を合わせて計測することが必要である。また、白衣高血圧や早朝高血圧、夜間高血圧、ストレス高血圧などもあるので気を留めておきたい。高血圧であっても、自覚症状があることが少なく、突然、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすサイレントキラーとも呼ばれている。高血圧を引き起こす原因がはっきりとしている二次性高血圧症は全体の10%程度である。これは糸球体腎炎、腎盂腎炎や原発性アルドステロン症など疾患が影響している。医療機関での治療が必要であるため、高血圧で来院されたときにはこのような疾患の有無も確認がいる。
鍼灸マッサージの施術で、原因が不明の本態性高血圧に降圧の効果を発揮する。廣先生は現在、きららの湯若狭鍼灸院に勤務されている。ここで温泉入浴前後の血圧の変動を調査された。温泉でもかなりの割合で収縮期血圧の下降がみられた、ただし、脈拍は増加した。また、末梢(特に下腿)への鍼刺激の前後での血圧の違いも調査した。結果は血圧、脈拍ともに下降した。つまり、鍼刺激で血圧が下がる効果と副交感神経を優位にし、脈拍を抑える効果も得られるのである。我が国の高血圧症罹患者は4,300万人いるという。隠れ高血圧症も含めば、かなりの人数になる。治療費を抑えるためにも、予防医療である鍼灸マッサージが高血圧症にも効果があることを認識し、患者の健康増進に役立たせたい。
午後からの講演2では肘・手関節に関係する解剖や運動を整理し、肘の内側、外側の痛みについて学んだ。肘の内側の痛み(上腕骨内側上顆炎、野球肘)では屈筋群のオーバーユース、外反ストレスによる靭帯損傷、尺骨神経由来の痛みが多い。外側の痛み(上腕骨外側上顆炎、テニス肘)では手関節を背屈させる動き、回内作業や握る作業などによる筋肉、特に短橈側手根伸筋のオーバーユースが原因であることが多い。パソコン作業もそれに含まれるため、デスクワーク業務者に上腕骨外側上顆炎の発症率が高い。
実技として徒手検査を項目ごとに教わった。内側痛では内側靭帯へのストレステスト、前腕屈筋へのストレステスト、尺骨神経へのストレステストを行い、肘の痛みの原因を見つけ、野球をしている子どもであれば、離断性骨軟骨炎(OCD)も疑いに入れ、投球を規制する指導もしていく必要がある。また、患部外、股関節や肩甲骨、胸郭の動きを確認し筋緊張を緩めることで、肘への負担が軽減する。外側の場合も同様に痛みの評価のための徒手検査を行い、ストレッチ、テーピングも教わった。
参加者は積極的に質問され、講師も丁寧に対応してくださった。180分中2回休憩をとったが、講師は休憩中も質問を受けておられたので、お疲れのことであっただろう。デスクワークされている方の割合が多いことには驚いたが、今の時代パソコン作業は必須であるため、多くの方が発症する可能性がある。しっかりと身に着け、鍼灸マッサージで効果を実感していただくことが必要である。また、デスクワークされている方への発症予防にもつなげていける講演内容であったと思う。
夏期大2日目レポート 西宮地区 横山善人
2日目となる今回は「認知症と東洋医学」(はりきゅう和み座・谷本篤志先生)と「養生学その2:養生の5つの基本を学ぶ」(明治国際医療大学・伊藤和憲先生)でした。
2年後、65歳以上で20%近くの有病率が予測される認知症。新型コロナウイルス感染がアルツハイマー型(認知症の約7割)罹患を高めるとの研究報告もあるそうです。また脳の血流低下と深く関係している事が知られる中で東洋医学への期待も高く、数多の叡知と最新情報を紹介。認知症の徴候として知られる「軽度認知障害」(MCI)は日常生活に支障を来さないものですが、5年以内に半数近くが認知症に進むというデータもあります。かつての”痴呆”が認知症に変更されて来年で20年、日頃より関心を持つべくアンテナを張り巡らさねばと思いました。
養生学は私が伊藤先生をお願いした経緯もあって楽しみでした。養生=「命を正しく養う」。一方、治療場面で説明として使う”セルフケア”は特定の病気に対するケアやコントロール法で「予防」に近いもの。養生は季節や文化・伝統習慣とも関連する幅広いイメージです。その中で先生が強調されていた「身体の価値観を変える」は説得力のある内容でした。こういった考えをベースに考案されたタイプ分類によって不調の原因を把握、対処するというものです。分類に際して専用アプリが用意されているとは古くて新しい養生の姿。講義では「緩める」「温める」「整える」「補う」「鍛える」をキーワードに東洋医学・西洋医学両方の側面より解説。先生は養生普及を目的とした拠点を学内に設置、広く発信されています。この事は鍼灸マッサージ業界の後押しに繋がるものとしても心強く感じました。
夏期大学3日目レポート 神戸地区 村田恵也
1.(午前)街づくり健康体操
講師:兵庫県鍼灸マッサージ師会会長 賀内進一先生
今回の午前の講義では、「小児鍼の概要と米山式小児鍼の実際2」健やかな子供の成長を考える」の題材で、森ノ宮医療大学 尾崎朋文先生の講義予定もコロナに感染された関係で、急遽賀内会長が講義される事となりました。
賀内先生は、小野市のスポーツ推進委員をやっており、2001年より介護推進に力を入れておられます。
内容は、賀内先生が脊柱管狭窄症を発症し、手術をされた後にストレッチ等を行い完治された事や、毎年、健康診断を受けていて、PSA(前立腺がん)が見つかり今年6月に手術を受けた等、たとえ健康に自信があっても健康診断は受ける事であると話された。
ストレッチは、フレイル予防(筋力低下の予防)にいいため是非勧めたいとの事。ストレッチは主に座った体制で行い、上下肢の主な筋肉(屈曲・伸展・外転・内転・外旋・内旋等)のストレッチを行った。また、スクワットのやり方の紹介もあり、膝をつま先より前に出ないようにゆっくり動かす事がいいとしている。体幹トレーニングでは、腹筋と背筋を鍛えられるやり方の紹介もされた。
ウォーキングも重要だが、しんどい場合は座った状態で腕を振りながらウォーキングする事やデスクワーク等で座りっぱなしの場合は短時間でも立って背伸びや首を回す等、一息入れるとリラックスできて効果的であると話された。
その他に頸や頭と表情筋のストレッチの紹介もあった。なおストレッチ時は、5本指ソックスを推奨している。
以上が午前の内容でした。尾崎先生の講義が聞けなかったのは残念でしたが、それでも思ったより中身が濃い内容で、早速一部ですが施術に取り入れています。
主に膝をやっていますが患者さんが楽になったと喜ばれて帰られています。患者さんの喜ぶ顔を見て本当に本講義を聞いてよかったと思いました。しかし内容を忘れてしまうため出来れば本内容の資料を頂きたいです。
2.(午後)「腰下肢症状に対する鍼灸治療」
講師:宝塚医療大学 保険医療学部鍼灸学科 井上 基浩先生
内容は、腰下肢症状の原因にあげられるのが、主に椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、閉塞性動脈硬化症等があげられる。
そうなると軸索突起が傷ついているので鍼治療が効果的である。
また10代から変性が始まるとの事。しかし、交通事故等で繊維軟骨が傷ついてしまう事もある。その際の鍼治療を行うにあたり太陽膀胱経の第一行線~第三行線を施術すると良いとの事。また、腰下肢症状では、仙腸関節は恥骨結合があり、そんなには潰れないが「L4・L5・S1」が多いとしている。(ゲンスレンテスト・ニュートンテスト陽性)因みに大腰筋は、L1~L4の腸腰筋の一部である。また関節と筋は分けるも重要である。
※鍼灸治療の適応とはならない症状
1,腰下肢症状が徐々に悪化
2,激しい疼痛で体が動かない
他5項目あり、以上の症状では、鍼治療では治らないため病院に行く事を勧めている。
問診では、棘突起を触診して状況を確認し施術する。
治療には、鍼治療と注射治療があり共に刺激療法であるが麻酔があるかないかの違いである。筋弛緩の中で、胸郭出口症候群の一部である小胸筋症候群がある。また椎間関節部刺激を無菌状態で行うとしている。
下肢症状として痛み箇所の末梢神経(主に浅腓骨神経・総腓骨神経等)・陰部神経(仙骨裂孔)に10Hz~20Hzの鍼通電で施術する
※脊髄分節性痛覚と広汎性侵害抑制調節の治療の施術方法
坐骨神経の治療として坐骨神経管と言うたくさんの軸索が包まれた箇所を治すのだが、軸索が損傷していると治らないため病院へ行く事を勧めている。因みに末梢神経にはシュワン細胞が流れている。(中枢神経はグリア細胞が流れている)。
最後に臨床実技として腰部・臀部を中心に施術してその中で骨と腱の関係の話もされた。
僕も腰部から下肢に向けてマッサージをしておりますが、やはりマッサージはリンパや軸索突起を壊しやすいためその時はいいのですが、後で痛くなりやすく鍼治療だと痛みが低減しにくいので改めて鍼治療の奥深さを感じました。
今回は午前の講義が変更と言うアクシデントがありましたが仕事にも役立つ情報が盛りだくさんだったので充実した一日となりました。本当にありがとうございました。
“夏期大アンケート紹介”
本年度も多くの方にアンケートをお書きいただきありがとうございました。
以下に3日分のアンケートを集計し、抜粋したものをご紹介します。
(アンケート総数:95名分)
《受講年齢》
20歳以下:0名 20歳~29歳:7名 30歳~39歳:5名
40歳~49歳:18名 50歳~59歳:27名 60歳以上:35名
《講座全般についてご意見をお聞かせください(会場、設備、アクセス、など)》
(1日目)ウイズあかし
・ここの会場を3回ともとってほしい。
・やはり午前の部は質問コーナーがほしかったかなと思いました。
・午後は、途中でも質問出来てわかりやすかったです。
・今日1回目の講座をもう一度ききたい。
・この場所で良い(アクセスも良い)
・エレベーターから会場までが分かりにくかった。エレベーター付近に案内なりポスター掲示があった方が良い。
・お昼の休憩時間があと10分位欲しいです。
など。
(2日目)神戸市立総合福祉センター
・長い。やるとすれば、午前だけか、午後の1時間半だけでよかったのではないか。
・【午前】スクリーンの移りが早すぎる事と、資料がないのでわかりづらい。
・【午後】講義が早すぎましたが、資料があったので助かりました。
・会場、設備、アクセス、ちょうど良いです。
・アクセスも悪くはないが、少し手狭?であるような気がした。
・養生は現代社会に必要なことだと思います。今後も継続していただけたら嬉しいです。
・部屋がとても寒い。
・午後は海外資本にも負けない日本のシステムができそうだ、と力強く思いました。
など。
(3日目)県民会館
・午前中は急遽賀内先生の講義でしたが、職場でも使えるネタで良かったです。ただ見えない所が多々あったのでもう一度見たいです。
・少し部屋自体が狭いように(天井が低い?)感じた。
・プロジェクター投影スクリーンがもう少し上でかかげられる方がより視認性が良い気がします。(少し見にくい所がありました)
・会場は地下鉄から近く、炎天下を歩くことがなかったので良かったが、施設設備の老朽化を感じた。(冷房が効きづらい、フロアにトイレの臭いがする等。)
・コロナで講座変更になるのは仕方がないと思いますが、講座始め直前に知ったのは残念でした。(受付で教えてほしかったです。)
・視力に障害があるからか、独り言や、変な合いの手を入れてくる人がいるのが気になった。失礼だが酔っぱらいがいるのかと思った。他所の講座ではいないのでビックリです。
など。
《来年度以降の夏期大学講座で取り上げて欲しい内容、講師等があればお書き下さい》
・粕谷大智(カスヤダイチ)先生 顔面神経麻痺
・IgA腎症と扁桃腺摘出
・「災害医療の現状と鍼灸師に必要な準備態勢」等→大阪府鍼灸マッサージ師会 古田 高征先生
・「男性の美意識の変化に対する美容鍼灸のアプローチ等」→?
・尾﨑朋文先生の米山式小児はり
・「なぜ歯ぐきが健康な人ほどいつまでも長生きできるのか」船越栄次
・「脳の毒をだす食事」白澤卓二
・認知症関連
・腎疾患と腎移植等
・精神疾患、うつ病等
・甲状腺機能亢進症及び低下症
・鍼灸院 経理事務の最新実例
・TFCC損傷
・化学物質過敏症
・神農本草経について
・脳血管障害と鍼灸の関係性
・パーキンソン病、パニック障害について
・見逃してはいけない症状
など。
★受講状況(トータル137名)
1日目:参加者45名(内訳:会員27名、賛助会員1名、一般14名、学生3名)
2日目:参加者51名(内訳:会員28名、賛助会員1名、一般17名、学生5名)
3日目:参加者41名(内訳:会員27名、賛助会員0名、一般9名、学生5名)
★夏期大学講座3日間、18単位取得者
今年度、取得された13名の方をご紹介します。
天野 豊(姫路)、今村健三(尼崎)、小川結子(神戸)、賀内淳一郎(北播磨)
木俣明芳(姫路)、木村慎一(神戸)、櫻井義明(明石)、高野好美(神戸)
濱田雅也(姫路)、前川茂彦(垂水)、水口貴成(西宮)、村田恵也(神戸)
横山善人(西宮)
【地区だより】
〈垂水生き活き保健福祉フェア報告〉
垂水地区長 宇仁菅一郎
2023年10月13日(金)10:00~12:00
垂水区役所1階大会議室において、昨年に引き続き「健康づくり講座」と題して、2題の講演と配布物による啓発活動と言う形で、この保健福祉フェアに参加しました。
前半は「フレイル予防とストレッチ」と題して、元垂水地区長の北川忠司先生にお話をしていただきました。
「フレイル」とは、加齢に伴い運動機能及び認知機能が衰えて、要介護になるまでの状態を言います。ですから、そのまま何もしないで放置すると、間もなく介護が必要になります。そこでどんなことをして、どんなことを心がければフレイルになるのを遅らせ、防げるかについて考えてみましょう。
このように、資料に基づいて前半話されました。
ご自身の体験を踏まえながら「フレイル予防に大事なこととして3つ考えているとのこと。それは、「食べる」こと、「動く」こと、「頭を使う」こと。
食べたもので、体を作り、維持し、活動します。食材では全体食と言う考えを持っています。野菜一つをとっても、含まれる成分は種類で違い、同じものでも栄養分は異なります。これさえ食べれば、必要な栄養分がすべて取れると言う食べ物はありません。ですから、いろいろな物を食べ、いろいろな部分を食べる必要があるのです。
次は「運動する」。
ひとくちに運動と言っても、力のいらない動作と、ゆっくりでも力のいる運動があります。風呂で体を洗ったり、衣服を着脱する動作は力の要らない軽い運動です。これに対して、ゆっくり立ち上がったり、物を持ったり押したりするのは、力のいる重い運動になります。健康な生活を維持するには、もちろん軽い動作は必要ですが、力のいるゆっくりした運動が抗重筋を強くし、フレイル予防になるのです。
この後、足の筋肉強化法を紹介されました。
最後に「頭を使う」こと。
頭を使うと言っても特別に変わったことをするのではなく、日常の生活の中で心がける程度です。等、少し休憩を取りながら1時間15分程度お話しされました。この「頭を使う」と言う所で、草で作った馬や鳥を紹介されて、皆さんとても関心を持たれました。
最後にいくつか質問に答えていただき、枕の高さが合わないと言う方に対して、実際に前に来てもらってアドバイスをされたりしました。
後半は、神戸地区長で、県の事業部長の木村慎一先生より「鍼灸マッサージ治療における保険制度について」と言うことで、療養費による鍼灸とマッサージ施術の仕組みに関して説明をしていただきました。
併せて、神戸市が実施している「高齢者施術助成割引券」に関しても、お話ししていただきました。
最後に、主催者側の区社会福祉協議会の方よりご挨拶をいただき、とても充実したひと時となりました。参加者は会員とヘルパーさん含めて10名、一般参加者が26名、計36名でした。
以上報告とさせていただきます。
【加古川ツーデーマーチ報告】
理事 小川結子
第33回加古川ツーデーマーチ スポーツ鍼灸マッサージボランティアに参加して(報告)
2023年11月11日から12日の2日にわたり、加古川市役所前広場をスタート・ゴール地点として、第33回加古川ツーデーマーチが開催されました。初日は早朝に木枯らし1号が吹き荒れる荒天となり、2日目も気温の低い中での開催となりました。
加古川ツーデーマーチとは、ウェルネス都市加古川を巡るウォーキングイベントであり、豊かな自然、まちのにぎわい、地域とのふれあいなどを通してウェルネスな暮らしの素晴らしさを感じていただく事を目的として開催されています(大会ホームページより引用)。
スタート、ゴール地点のある広場では、当会を含むウェルネスブースや地元特産物等を販売する屋台が所狭しと並び、メインステージでは主催者である加古川青年会議所の活気あふれる面々が司会を行い大会の雰囲気を盛り上げていました。
例年、兵庫県鍼灸マッサージ師会は、出場選手を対象としたスポーツマッサージを提供する協力団体として参加しています。今年度は、賀内会長をはじめ、天野副会長、木村事業部長、高野監事、清次氏、初参加の山口理事、水口氏の錚々たるメンバーの中に、鍼灸をメインに担当した私が3回目の参加を果たしました。
今回は、スポーツマッサージだけでなく鍼灸施術も提供することを試みました。今までの経験から、低温の中で開催されるイベントでは筋痙攣を起こす確率が高くなり、そのような時にはマッサージよりも鍼が有効ではないかと感じていたことから提言させていただいたところ早期に実現可能となりました。
この度は、80歳代の女性が筋痙攣を起こされましたが、木村事業部長のマッサージのみで軽快された為、筋痙攣に対する鍼の出番は残念ながらありませんでした。しかし、初体験であっても自ら鍼灸を希望される選手もいて、鍼をうった瞬間から身体の症状が変化していくことを体験され、「おもしろかった」と感想をいただく等、今後の活動に希望が持てる結果となりました。受療者数は、1日目 マッサージ40人、鍼灸8人、2日目 マッサージ59人、鍼灸4人となりました。2日目の鍼灸受療者が少ないことについては、1日目よりも受療希望者が多く受付に待機者が溜まってしまい、マッサージよりも時間を要する鍼灸を控えた事が考えられます。今後の課題は、より短時間で効果的なスポーツ鍼灸の実施と、鍼灸スペースの工夫です。人目を避ける、暖かくする等、肌の露出が多くなる事を考慮した空間作りが必要であると感じました。また、全日本鍼灸マッサージ師会のスポーツトレーナー講習では、スポーツ現場での灸は行わないことが原則となっていますが、この度の活動では山口理事が灸を実践され症例を残されました。
このように、当会のスポーツ事業では常に前進すべく新しい事に挑戦しています。少しでも興味がございましたらお声かけください。もっともっと多くの先生方と共に活動したいと思っています。
《保険だより》
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会のホームページ(https://www.zensin.or.jp)に
マイナ保険証確認のための解説動画があがっております。
全鍼ニュース内の『2023.09.22(金)マイナ保険証確認のための解説動画【会員ページ】』です。
ご覧ください。(2023.10.31現在での情報です)
※ 本誌をご覧になる時には、情報が更新されている可能性があります。
=会員情報=
7月21日からの入会者 2名
7月21日からの退会者 2名
11月10日現在会員数 252名
【事務局からのお知らせ】
<年末年始休業のお知らせ>
恒例のことですが、当事務局は下記の通り年末年始を休業させていただきます。何かとご不便をおかけしますが、宜しくお願い申し上げます。
休業日:12月29日(金)~1月4日(木)
◇◇編集後記◇◇
年に1度のクリスマスがやってきました。自宅で丸ごとローストチキンを作るのは手間ですよね。我が家でも鶏の骨付きもも肉を照り焼きにし、宅配ピザと買ってきたケーキでクリスマスを祝う歳が続いていましたが、昨年はローストビーフを作ったところ好評でしたので、今回ご紹介させていただきます。
★ローストビーフ
〈材料〉2~3人前
牛肉ブロック…約300g
塩…少々
こしょう…少々
ニンニク…少々
(タレ)
酒・みりん・醤油…各大匙1
わさび…小さじ1
〈作り方〉
1.牛肉に塩・こしょう・ニンニクを満遍なく揉み込む。
2.熱したフライパンで全面を強火で各2~3分焼く。
※ポイント:しっかり焦げ目が付くまで焼く。
3.ラップでピッタリ巻き、さらにジップロックに入れ、空気が入らないように止める。
4.鍋にたっぷりお湯を沸かし、牛肉の入ったジップロックを入れる。
5.火を止め15分経ったら取り出し冷めるまで置いておく。
6.タレ作り:小鍋に酒・みりん・醤油を入れ一煮立ちしたら火を止め、粗熱を取りわさびを溶かし込む。
7.牛肉をスライスし、ソースをかけてお召し上がりください。
注意1.牛肉は赤身が望ましいです。
注意2.牛肉ブロックの厚みにより、作り方5は15分~20分で調整してください。
広報部長 天野 豊
【発行所】 公益社団法人 兵庫県鍼灸マッサージ師会
一般社団法人 兵庫県保険鍼灸マッサージ師協会
〒673-0018 明石市西明石北町3丁目8番15号
TEL (078)-926-0801 FAX (078)-926-0802
mail info@mam-hyogo.or.jp
【発行者】会長 賀内進一 【編集担当者】広報部長 天野 豊