2023/09/03
《夏期大学講座 第2日目》
【夏期大学を受講して】
2日目となる今回は「認知症と東洋医学」(はりきゅう和み座・谷本篤志先生)と「養生学その2:養生の5つの基本を学ぶ」(明治国際医療大学・伊藤和憲先生)でした。
2年後、65歳以上で20%近くの有病率が予測される認知症。新型コロナウイルス感染がアルツハイマー型(認知症の約7割)罹患を高めるとの研究報告もあるそうです。また脳の血流低下と深く関係している事が知られる中で東洋医学への期待も高く、数多の叡知と最新情報を紹介。認知症の徴候として知られる「軽度認知障害」(MCI)は日常生活に支障を来さないものですが、5年以内に半数近くが認知症に進むというデータもあります。かつての”痴呆”が認知症に変更されて来年で20年、日頃より関心を持つべくアンテナを張り巡らさねばと思いました。
養生学は私が伊藤先生をお願いした経緯もあって楽しみでした。養生=「命を正しく養う」。一方、治療場面で説明として使う”セルフケア”は特定の病気に対するケアやコントロール法で「予防」に近いもの。養生は季節や文化・伝統習慣とも関連する幅広いイメージです。その中で先生が強調されていた「身体の価値観を変える」は説得力のある内容でした。こういった考えをベースに考案されたタイプ分類によって不調の原因を把握、対処するというものです。分類に際して専用アプリが用意されているとは古くて新しい養生の姿。講義では「緩める」「温める」「整える」「補う」「鍛える」をキーワードに東洋医学・西洋医学両方の側面より解説。先生は養生普及を目的とした拠点を学内に設置、広く発信されています。この事は鍼灸マッサージ業界の後押しに繋がるものとしても心強く感じました。
【報告者:西宮地区 横山善人】