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2023/10/03

《夏期大学講座 第3日目》

1.(午前)街づくり健康体操

  講師:兵庫県鍼灸マッサージ師会会長 賀内進一先生

 今回の午前の講義では、「「小児鍼の概要と米山式小児鍼の実際2」健やかな子供の成長を考える」の題材で、森ノ宮医療大学 尾崎朋文先生の講義予定もコロナに感染された関係で、急遽賀内会長が講義される事となりました。

 賀内先生は、小野市のスポーツ推進委員をやっており、2001年より介護推進に力を入れておられます。

 内容は、賀内先生が脊柱管狭窄症を発症し、手術をされた後にストレッチ等を行い完治された事や、毎年、健康診断を受けていて、PSA(前立腺がん)が見つかり今年6月に手術を受けた等、例え健康に自信があっても健康診断は受ける事であると話された。

 ストレッチは、フレイル予防(筋力低下の予防)にいいため是非勧めたいとの事。ストレッチは主に座った体制で行い、上下肢の主な筋肉(屈曲・.伸展・外転・内転・外旋・内旋等)のストレッチを行った。また、スクワットのやり方の紹介もあり膝をつま先より前に出ないようにゆっくり動かす事がいいとしている。体幹トレーニングでは、腹筋と背筋を鍛えられるやり方の紹介もされた。

 ウォーキングも重要だが、しんどい場合は座った状態で腕を振りながらウォーキングする事やデスクワーク等で座りっぱなしの場合は短時間でも立って背伸びや首を回す等、一息入れるとリラックスできて効果的であると話された。

 その他に頸や頭と表情筋のストレッチの紹介もあった。

なおストレッチ時は、5本指ソックスを推奨している。

 以上が午前の内容でした。尾崎先生の講義が聞けなかったのは残念でしたがそれでも思ったより中身が濃い内容で、早速一部ですが施術に取り入れています。

 主に膝をやっていますが患者さんが楽になったと喜ばれて帰られています。患者さんの喜ぶ顔を見て本当に本講義を聞いてよかったと思いました。

 

2.(午後)「腰下肢症状に対する鍼灸治療」

   講師:宝塚医療大学 保険医療学部鍼灸学科 井上 基浩先生

  内容は、腰下肢症状の原因にあげられるのが、主に椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、閉塞性動脈硬化症等があげられる。

 そうなると軸索突起が傷ついているので鍼治療が効果的である。

また10代から変性が始まるとの事。しかし、交通事故等で繊維軟骨が傷ついてしまう事もある。その際の鍼治療を行うにあたり太陽膀胱経の第一行線~第三行線を施術すると良いとの事。また、腰下肢症状では、仙腸関節は恥骨結合があり、そんなには潰れないが「L4・L5・S1」が多いとしている。(ゲンスレンテスト・ニュートンテスト陽性)因みに大腰筋は、L1~L4の腸腰筋の一部である。また関節と筋は分けるも重要である。

※鍼灸治療の適応とはならない症状

1,腰下肢症状が徐々に悪化

2,激しい疼痛で体が動かない

他5項目あり以上の症状では、鍼治療では治らないため病院に行く事を勧めている。

 問診では、棘突起を触診して状況を確認し施術する。

 治療には、鍼治療と注射治療があり共に刺激療法であるが麻酔があるかないかの違いである。筋弛緩の中で、胸郭出口症候群の一部である小胸筋症候群がある。また椎間関節部刺激を無菌状態で行うとしている。

 下肢症状として痛み箇所の末梢神経(主に浅腓骨神経・総腓骨神経等)・陰部神経(仙骨裂孔)に10Hz~20Hzの鍼通電で施術する

※脊髄分節性痛覚と広汎性侵害抑制調節の治療の施術方法

 坐骨神経の治療として坐骨神経管と言うたくさんの軸索が包まれた箇所を治すのだが軸索が損傷していると治らないため病院へ行く事を勧めている。因みに末梢神経にはシュワン細胞が流れている。(中枢神経はグリア細胞が流れている)。

 最後に臨床実技として腰部・臀部を中心に施術してその中で骨と腱の関係の話もされた。

 僕も腰部から下肢に向けてマッサージをしておりますがやはりマッサージはリンパや軸索突起を壊しやすいためその時はいいのですが、後で痛くなりやすく鍼治療だと痛みが低減しにくいので改めて鍼治療の奥深さを感じました。

 今回は午前の講義が変更と言うアクシデントがありましたが仕事にも役立つ情報が盛りだくさんだったので充実した一日となりました。本当にありがとうございました。

【報告者:神戸地区 村田恵也】

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