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2024/05/02

《神戸地区講習会 第2弾》

開催日時:令和6年3月3日(日) 13:30~16:30

会場:神戸市中央区文化センター11階 会議室1001号室

講師:学校法人 呉竹学園 臨床教育センターManager 船水隆広 先生

講題:「メンタルヘルスや美容に安全で効果的な鍉鍼テクニック【TST】の理論と実技」


 去る令和6年3月3日13時30分より神戸市中央区文化センターにて学校法人 呉竹学園臨床教育センターマネージャー 船水隆広 先生をお招きして「メンタルヘルスや美容に安全で効果的な鍉鍼テクニック【TST】の理論と実技」との講題で講義と実技供覧を行っていただきました。

 講義の冒頭に船水先生が関わっておられる様々な活動のご紹介があり、教育現場だけでなく、海外も含めてご活躍されていることに感心させられました。その中で、鍉鍼を使用されるようになった経緯のお話がありました。船水先生はうつ病やパニック障害などメンタルヘルスにご興味がありそういった患者も多く施術されていたそうです。メンタルを患っている方は皮膚が過敏になっている方も多く、刺入するタイプの鍼は手技としてはソフト刺激であったとしても受け入れてもらえないことが多く、であればと鍉鍼を使用されるようになったということでした。さらに、現在流通している鍉鍼は先端が細く、皮膚への刺激が強いこともあり、オリジナルの鍉鍼を作成するに至ったと。また、鍉鍼のみで施術が完結するような施術を行っているような文献もなかったことからオリジナルの手技を構築するに至ったとのことでした。

 メンタルを患っている方の治療の一環として顔の血色をよくしたり、表情を作るために口角を上げやすくする目的などで顔面へのアプローチを行うことで患者の状態が一段階改善することにもなり、同時に美容的なアプローチの理論構築にも繋がっていったとのことでした。

 船水先生は人体解剖も数多くされており、顔面についてはたくさんの筋肉がついているが、筋層はとても薄く、血流が悪くなると状態がすぐに悪くなるため、気血の流れを改善し、顔面の血流を改善し、筋や皮膚の状態を改善していくとのことでした。

 船水先生が考案された鍉鍼についてもご紹介いただきました。主に使用される鍉鍼はソフトな形に加工された鍼先と反対側には球状になっており、鍼体には溝が切ってあります。気を流して治療していくと説明をすると気がわからないという施術者が必ずいて、そういった方でも気を流すことができるようにするために溝が切ってあるそうです。船水先生は「気は固有振動数」という考えをお持ちで、鍼体の溝を指を滑らすことで振動が発生し、気が分からなくても気を流せるということだそうです。気は生命体の持つ波動の一種だと私は考えているのですが、固有振動数という考えは共感や新鮮さを感じました。

 後半の実技供覧ではモデル患者に対し、船水先生がされている基本的な手順と、それぞれの部位に、どのような手技を施していくのかということを詳しく説明していただきました。患者の状態によって施術部位や刺激量など変化はすると思いますが、基本的には胸腹部、四肢、背腰部、頭頸部、顔面とまさに全身治療でした。

 非常に内容の濃いご講演で消化不良になっている方も少なくないと思いますが、鍉鍼ならではの手技や鍉鍼だからこそ行いやすい部位など日々の臨床にプラスしていただければ幸いです。

 今回も会場とオンラインのハイブリッド方式での講習会開催といたしました。会場準備、撮影等、ご協力いただいた先生方に感謝申し上げます。

【報告者:神戸地区 井上和哉】

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