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お知らせ

2025/01/09

《西宮地区講習会》

令和6年11月17日(日) 西宮市関西盲人ホーム昭和寮に於いて、西宮鍼灸マッサージ師会の研修会が開催されました。加古郡稲美町「はりきゅう尚庵」の山口尚代先生を講師にお招きして、テーマは「お灸療法 知熱灸を取り入れよう!」です。西宮市だけでなく市外からの先生も含めて15人の参加でした。

 最近お灸の良さが見直され夏期大学でも取り上げられてはおりますが、使われるお灸はほとんどがセンネン灸などの台座灸です。モグサを指先で捻って直接体に据える透熱灸や知熱灸は、開業鍼灸師の間でもあまり使われておらず、聞いたことはあるけど見たことはない、とか知っているけれど使ったことがない、と言った先生方がほとんどなのが現状だと思います。山口先生は大阪の松浦鍼灸大学堂で5年間、お灸を中心とした鍼灸臨床の修行をされ、その後ご自身の鍼灸院でもお灸を活かした施術をされています。

 前半はパワーポイントを使って、お灸についての説明や臨床においての使い方、よく使うツボの解説などをしていただき、後半は普段使っているお灸のセットを使っての実技をしていただきました。模擬患者役をされた先生は知熱灸を受けたことがない方で、山口先生のお灸を体験して「これが本当のお灸なんですね!」と驚かれた様子でした。山口先生の知熱灸は、半米粒 米粒大のモグサを据えて線香で火をつけ、それが八分くらい燃えたところでその上に次のモグサを重ねるというやり方で、これを5壮から10壮くらいまで繰り返します。1壮ずつ消すやり方に比べはるかにスピーディーで、手際の良い施術でした。実際に寝違えて首が痛いという人に、この知熱灸をすると首の痛みが軽減して可動域が広がったというのも目の当たりにすることができました。

 最後は分かれてお互いに練習をしましたが、当然のことながら上手く出来ず、山口先生の技術の高さを認識いたしました。その翌日から私の鍼灸院でも(山口式の)知熱灸を取り入れています。初めのうちは手際が悪く何人かの患者さんに熱い思いをさせてしまいましたが、施術後に肩や腰が軽くなったと言った反応がありましたので、これは効果があるなと実感しているところです。

 鍼灸院という看板を掲げているにもかかわらず、お灸はあまりしていない先生がほとんどだと思います。お灸はとても効果があるだけでなく、お灸を据える時間が患者さんとのコミュニケーションになるとこや、お灸の香りや煙が漂っている雰囲気が癒しの空間を作ります。山口先生のお灸愛に触れて、私もそのスタンスがとてもいいなと思いました。私の鍼灸院もお灸の香りが漂う憩いの場にしたいと思います。お忙しい中にもかかわらず資料を準備してご講演いただいた山口先生ありがとうございました。またご参加の先生方お疲れ様でした。これからも鍼灸マッサージを盛り上げて行きましょう!

【報告者 西宮地区:杉輝章】

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