2026/03/26
《神戸ブロック臨床研修会》
【令和7年度神戸ブロック臨床研修会報告】
令和8年1月25日(日)13時30分より、厳寒の中、「令和7年度 神戸鍼灸マッサージ師会主催 臨床研修会」を会場およびオンラインにて開催いたしました。今回は、東京呉竹医療専門学校教員養成科でも教鞭を執られている高野耕造先生をお招きし、『「臨床に役立つ奇経八脉の使い方」著者直伝研修会』との演題で、ご講演と実技指導を行っていただきました。
奇経については、現行の学校教科書ではわずか2ページのみの記載に留まっており、古典書物である『難経』においても3項目に記載があるのみです。経絡学的には、養成施設で教わる基本的な正経十二経のみでは網羅できない部分を補うために、奇経を用いた治療が考案されたのではないかと私見では考えておりますが、情報が少なすぎるために臨床応用が不十分になっている方も多いのではないでしょうか。
今回の研修会では、高野先生のご講演と著書の内容から、奇経の流注(るちゅう)を再認識するとともに、所属経穴についても理解を深めることができました。また、奇経治療といえば「八脉交会穴(はちみゃくこうえけつ)」を使用した治療システムを連想しますが、少陽胆経の「足臨泣」は厳密には奇経に所属していない経穴であることや、手にある八脉交会穴に「主治穴」の設定があるものの、実際には奇経が手に流注していないという矛盾など、目からウロコの情報が多くありました。
古典書物には先人の長きにわたる研究と膨大な情報が記されていますが、それを鵜呑みにするのではなく、自らも疑問を持ち思考を繰り返すことが大切であると再認識する機会となりました。
実技指導においては、普段高野先生が実践されている治療方法に沿って、大変丁寧にご説明いただきました。高野先生は基本的に鍼管を使用しない「撚鍼法(ねんしんほう)」で刺鍼されるそうで、その鮮やかな手技を受講者の方々は驚きの目で見守っていました。
高野先生の非常に穏やかで柔らかい口調も、受講者の皆様を引き込んでいたように感じます。理論ももちろん大切ですが、施術者としての「雰囲気」も重要な要素であると実感した研修会でした。
【報告者 神戸地区:井上和哉】
