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お知らせ

2024/04/02

兵鍼会報第255号

兵鍼会報255号 PDF版


以下、テキスト本文

 

兵鍼会報 第255号 2024年4月号 

公益社団法人 兵庫県鍼灸マッサージ師会

一般社団法人 兵庫県保険鍼灸マッサージ師協会

 

【総務部 お知らせ】

◆定時社員総会のご案内◆

 

(公社)兵庫県鍼灸マッサージ師会

(一社)兵庫県保険鍼灸マッサージ師協会

    会長 賀内 進一

 桜花爛漫の候、会員の皆様におかれましてはご活躍のこととお慶び申し上げます。

平素は本会の運営にご理解とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。

令和5年度の事業も滞りなく終えることができました事に感謝申し上げます。

本年度は役員改選の年であります。本会運営にご興味がある方は立候補していただきますようお願い致します。

 さて、令和6年度の定時社員総会を下記要綱にて開催を予定しております。総会は、会員の発言権、議決権を行使する場として定款に規定されております。多数の会員の皆様のご参加をお願いいたします。

 総会資料は5月上旬には届く予定です。出欠届・委任状は5月10日までに提出をお願いいたします。

 併せて一般提案事項及び質問事項がございましたら、提案書(総-7)にて上記出欠届と同じく5月10日までに(期限を過ぎると無効になります)ご提出をお願い致します。

 

       記

日時:令和6年5月19日(日) 13時15分より(受付:13:00)

場所:明石商工会議所6階集会室

 

※本年度は、午後のみの開催となりますが、役員改選もありますので、総会資料は熟読の上スムーズな議事進行にご協力をお願い致します。

 

 

◆役員改選について◆

 

(公社)兵庫県鍼灸マッサージ師会

(一社)兵庫県保険鍼灸マッサージ師協会

   選挙管理委員長 瀧川敦子

令和6年5月19日(日)に開催します、定時社員総会では、任期満了に伴います役員の改選を下記要綱で実施します。立候補を予定されている会員は、必要書類を事務局選挙管理委員に請求されるか、もしくはご自身で「HPの会員専用ページ」からダウンロードして選挙管理委員会事務局に届け出をお願いします。届け出は告示日から10日間です。

 

 立候補に必要な書類は、

師会:理事選挙立候補届出書(選-1)監事選挙立候補届け出書(選-2)

   理事監事候補者推薦書(選-5)

協会:理事選挙立候補届出書(選-1)監事選挙立候補届け出書(選-2)

   理事監事候補者推薦書(選-5)

・選挙の告示は、令和6年4月9日(火)

・立候補受付期間は、告示日から10日間、4月19日(金)まで

・立候補者名公表は、立候補受付期間終了後、HP(会員専用ページ)にて届け出順に掲載、月刊情報mAm5月号に立候補者名を公表します

・投票日は、5月19日(日)定時社員総会当日

・改選は、師会理事10名、監事1名・協会理事5名、監事1名を選出

・師会の外部監事は、会長が推薦し総会の承認を得て任命する

・会長及び業務執行理事は、選出された理事による理事会の決議によって理事の中から選定する

・立候補の受付期間は10日間です。告示日までに送られると無効、また受付期間を過ぎても無効となります。出来るだけ受付期間内の早い日に届け出をお願いします

 

 

◆令和6年度 年間行事予定表(案)◆

           月          日          曜日       事 業 名          場所予定

4月 9日(火)  県師会理事・監事選挙告示

4月14日(日)  監査会・第1回業務執行理事会

  21日(日)  第1回理事会

  未定      近連理事会

5月19日(日)  県師会定時社員総会・第2回理事会

          明石商工会議所6階集会室 1時~4時半

  26日(日)  全鍼師会代議員総会・連盟総会・協同組合総代会

6月23日(日)  第2回業務執行理事会

  未定       神戸地区講習会

7月14日(日)  夏期大学講座 第1日目

8月25日(日)  第3回業務執行理事会

  未定      阪神北地区講習会

9月 8日(日)  夏期大学講座 第2日目

  22日(日)  学術担当者会議

  29・30日(日・月)  東洋療法推進大会in徳島大会

10月11日(金) たるみ生き活き保健福祉フェア(未定)

13日(日) 中間監査会・第4回業務執行理事会

   未定     にしのみや市民祭り

   27日(日) 第3回理事会・地区師会長会

11月9・10日(土・日) 加古川ツーデーマーチ

11月 9日(土) 全鍼組合研修会

   10日(日) 全鍼師会都道府県師会長会議 

   未定     姫路臨床研修会

   未定     西宮地区講習会

12月 8日(日) 小野ハーフマラソン

   未定     阪神北地区講習会

令和7年

1月19日(日)  第5回業務執行理事会

2月 9日(日)  姫路城マラソン

  16日(日)  第6回業務執行理事会

  23日(日)  第4回理事会 

      未定     神戸ブロック臨床研修会

《その他》

全鍼師会各種委員会(保険委員会・法制委員会・視覚障害者委員会・災害対策委員会・地域包括ケア担当者会・フェムテック委員会等)

 

 

【事務局 お知らせ】 

◆令和6年度会費について◆

4月(地区)5月(県師会)7月(県協会・全鍼)9月(地区)10月(県師会)年間合計

尼崎 7,200 10,000 11,000 7,200 10,000 45,400

西宮 8,500 10,000 11,000 8,500 10,000 48,000

阪神北 10,000 10,000 11,000    0 10,000 41,000

神戸 7,200 10,000 11,000 7,200 10,000 45,400

明石 8,600 10,000 11,000   0 10,000 39,600

加古川 5,000 10,000 11,000 5,000 10,000 41,000

北播磨 5,500 10,000 11,000 5,500 10,000 42,000

姫路 8,500 10,000 11,000 8,500 10,000 48,000

西播   0 10,000 11,000   0 10,000 31,000

但馬   0 10,000 11,000   0 10,000 31,000

その他  0 10,000 11,000   0 10,000 31,000

 

口座引落をご登録されている会員様へ

「ゆうちょ銀行口座」をご確認いただき、残高不足などで引き落としが出来ない事の

ないように、よろしくお願い致します。

 

※4月の引落日:4月25日(再引落日:5月10日)

※5月の引落日:5月27日(再引落日:6月10日)

※7月の引落日:7月25日(再引落日:8月13日)

※9月の引落日:9月25日(再引落日:10月10日)

※10月の引落日:10月25日(再引落日:11月11日)

4月・9月は、地区会費の半額ずつ

5月・10月は、県師会会費10,000円ずつ

7月は、県協会会費1,000円、全鍼師会会費10,000円

 

 

◆賠償責任保険について◆

 賠償責任保険の有効期限は5月31日までです。

令和6年度年間保険料と支払限度額(単位:円)をお知らせします。

加入タイプの変更は、地区長または地区担当者にご連絡下さい。

申込締切日は令和6年4月30日です。

 

加入タイプ          DX       50          30          20          A

年間保険料         8,630     6,890     5,520     4,840     4,150

支払限度額 鍼灸マッサージ業務に基づく事故

 1事故 1億  5,000万  3,000万  2,000万  1,000万

 保険期間中 3億  15,000万  9,000万  6,000万  3,000万

業務施設に基づく事故

対人 1名 5,000万  2,500万  1,500万  1,000万  500万

    1事故 1億  5,000万  3,000万  2,000万  1,000万

対物 1事故 1,000万  500万  300万  200万  100万

 

 

◆厚生労働大臣免許保有証の更新について◆

 すでに「厚生労働大臣免許保有証」を取得されていて、カードに有効期限:令和7年3月31日と記載の方が、今回更新の対象です。また7月頃に事務局より更新の案内を送付しますので期限を確認しておいてください。

 

※初めて申請される方は、今年度の申請受付を7月1日より開始致します。

ご希望の方は、8月末までに事務局までお問い合わせください。

手続きに必要な書類等のご案内を郵送させて頂きます。

(事務手数料:会員2,000円、非会員4,000円が必要となります)

 

 

【視覚障害委員会情報】

ヘルパー制度を使っての仕事で可能性広がる

垂水地区 宇仁菅一郎

 

視覚障害者の多くが、外出支援の制度を使って研修会とか総会に出席されている          姿をよく、本会の行事でも見かけられると思います。近年私たち視覚障害者が、外出して「同行援護」と言う、いわゆるガイドヘルパーを伴って、あらゆる所に出かけられる機会が増えてまいりました。

この「同行援護事業」は、国の「障害者総合支援法」の項目に該当するサービスです。これは、通院・買い物・外での代筆代読・コンサートや映画などの鑑賞・会議や研修会への同行・冠婚葬祭へのガイド・会食の外出介助等、わりとなんでもお願いできる、国が公に認めるサービスです。

ところが、このサービスで受けられないのが、わたしたちの経済活動です。すなわち、訪問在宅とか外で仕事をするのに、公に同行援護事業を受けることができません。それは、まずヘルパー制度は厚生労働省の福祉サービス、経済的なことは、経済産業省の雇用交付金制度と言うことで、管轄が違うと言うことで、今まで仕事にヘルパーさんがお願いできないと言うことになっていました。これはおかしいと。わたしたちが受けるヘルパーさんへの交通費とか、外食の際の一定基準を超えたお相手の食費、基本的には費用負担がかからないのですけど、所得の関係で一部利用負担を必要とされる。これらはわたしたちが仕事をして、その収入から支払うことが多くあると思います。

経済活動にヘルパー制度が利用できないと言うことで、注目されたのが、参議院にれいわ新選組から二人の重度の障害者が当選して、彼らの議員活動に支援が使えず、しばらくの期間議員歳費で賄われていたと言う事です。

そして、この職場とか通勤に支援する制度に関して、社会保障審議会でも協議されて、2020年10月より、福祉と雇用の施策との連携による「重度障害者等就労支援特別事業」がスタートしました。ただし、この事業、国の必須事業でなくて、任意事業と言う位置づけになるため、実施は各市町村です。その点の取り扱いが厄介なので、実施する市町村もなかなか進まないのが現状です。しかし一定とはいえ、仕事にヘルパー制度が使えるようになったことは、画期的で一歩前進だと私は思います。

今までわたしは開業して早34年になりますが、今から約6年ぐらい前までは、母の車で外の仕事に出かけたり、患者さんの送迎とか、他にも代筆や簡単な代読はやってもらっていました。しかしその母も高齢となり、様々な面で支援が難しくなってきました。わたし自身も、白杖片手にどこにでも単独で出かけて、交通機関の乗り換えとか、場所の分からない時は、人に尋ねて聞いて仕事にも行っていました。しかしそんなわたしも、単独移動でよく障害物にぶつかってけがをしたり、うっかりけつまずいて足を骨折したりするような機会が増えました。そんな意味で、最近は治療院にいて仕事をする事より、どちらかと言えばデイサービスとか外出しての仕事が増えてきましたので、ぜひ経済活動へのヘルパー支援制度を、あれば使いたいと思うようになりました。この職場・通勤への支援制度が始まって2年後、神戸市でも実施の運びと言うことを聞き、垂水区の支援センターの担当者とも話し合って計画を立てました。おおよそ1週間、予定表として週に1回の事務的なこととか雑用を治療院でお願いする。後はデイサービスへの送迎と室内同行。それから訪問在宅先でのサポート。これらを組み合わせて初年度2022年は5月より使えるようになり、月61時間40分いただけました。そして2年目となる2023年は、月65時間と増えました。これは、使ってきた結果の証だと思います。もちろん予定はあくまでも予定なので、仕事先の変更とか流れが変わると、この計画案も変更にはなりますが、とにかく時間内であれば支援サービスは可能です。後、これは従来の同行援護でも可能ですが、他に使用することも多いので、日曜日の研修とか、金曜、日曜の会議などにも、この重度障害者就労支援の制度を使って出かけたりもしています。

現在兵庫県内で実施している市町村が、伊丹市・神戸市・姫路市で、そこから他になかなか広がらない現状です。聞くところによりますと、今年度4月以降淡路市でも実施されると聞いています。他にも西宮市で希望があるとか、他の市でも希望者がいるとも聞いてはいます。

ヘルパー制度を受けながらのわたしたちの仕事の可能性は、かなり広がるものと思っています。仕事先の介護施設での、手渡される施術報告への記入、一人で訪問・往診先でのトラブルにからも守られる、パソコンやスマホを自由に操作が不慣れなものにとっての代筆による保険請求とか支援金の申請、その他。

この制度は、全国的に2023年7月末時点で44市区町村で実施され、今後として77市区町村が内示予定と聞いています。全国的にもまだまだ限られて実施されている市町村を、ぜひ増やしていきたい。そしてやがては国の必須事業として、障害者総合支援法の中の、同行援護等、障害者福祉サービスとして受けられる仕事での支援の位置づけを認めてもらえるよう、更に声を出し続けて行きたいと思っています。

【事業報告】

★小野ハーフマラソン参加報告

   神戸地区 船曵育子

 2023年12月3日日曜日 Ring of Red 第10回記念 小野ハーフマラソン2023では、ハーフ、5キロ、1.5キロのマラソンが行われました。

スタッフ8名で受療者92名(鍼12名・マッサージ80名)でした。

初めての参加でしたので、足手まといにならないようにだけ気をつけていました。

まずは、施術ベッドの設置等準備をし、賀内会長からスポーツマッサージの手ほどきを受け、天野副会長に練習させてもらい準備を整えました。

 そうこうしていると、受付が始まり、施術する番がやってきました。

限られた時間、自分がどれだけ施術ができるのか、少し迷いながら行っていきましたが、ひとり、ふたりとやっていくうちに流れがみえてきて、楽しくなり、自らランナーの方に話しかけていました。

 始まったころは太陽もでて暖かでしたが、終わりのころには、風も強く寒さを感じるようになっていました。ランナーの方は、身体が少し冷えてきているようにも感じたので、身体を冷やさないようにとお声かけさせていただきました。

途中からはひっきりなしに来られ、待ち時間もありましたが、たくさんの方に来ていただいて、鍼、マッサージのよさを体感していただけたと思います。

 わずかな時間、マッサージをさせていただいて、みなさんからは感謝のお言葉をいただきました。とてもうれしかったです。

そして、私自身、たくさんの方に施術できたことは、これからの施術にいかせそうです。

また、一緒に参加していた先生方ともお話ができて楽しく、とても有意義な時間でした。

ありがとうございました。

 

★姫路城マラソン2024 マッサージボランティアに参加して

   姫路支部 田中尚人

 2月12日に世界遺産姫路城マラソン2024が開催されました。

今回から鍼灸マッサージ師会によるマッサージボランティアが再開されたので初めて参加させていただくことになりました。

コロナ禍のため久しぶりの機会となったようです。

 集合場所から現地に移動して、まずは会場のセッティングから。

皆さん手慣れた様子で作業されていました。

まだランナーが帰ってくるまで時間があるので、私を含めて初参加のメンバーはマッサージ手順のおさらいをしてもらい準備を整えます。

マッサージ会場が地下駐車場のため外の様子は分かりませんが、昼近くに走り終えたランナーが戻ってくるようになりいよいよマッサージ開始。

時間と手順を意識して確実に施術していきます。

ランナーは各地から来られていて色々なお話を伺う事も出来ました。

最初はまばらでしたが、時間が経つにつれて待合スペースがいっぱいになる位に多くの方に来て頂きました。

慣れてくると他の方の施術の様子も見られるようになり、各先生方は基本の手順を踏襲しつつも体の状態に応じてアレンジされており勉強にもなりました。

また、今回から鍼も受けられるベッドを設定していたのですが、大変人気となっており鍼需要の高まりを実感しました。

過去の例として足がつる等の事例は聞いていましたが、気温や天候に恵まれたためか特に問題はなく終了。撤収作業を終え6時間ぶりに地上に戻った時には心地よい充実感がありました。

また今後も機会があれば参加したいと思います。

 

参加会員:18名。

施術数:146名。

 

 

【地区便り】

★姫路地区講習会報告   報告者:佐藤暢彦

 11月26日(日)午前10時より姫路市民会館4階第6会議室にて、宝塚医療大学特別教授の中村辰三先生にお越し頂き『電子灸(Nakamura灸)の開発とその効果』について学習しましたので報告します。

 1970年代に中村先生が大阪、東京、アメリカと毎月長距離の出張があり激務の仕事をこなされていた時に、体調を崩し風邪を引きやすくなっていた。鍼灸師として体調管理に薬ばかり頼るのは恥ずかしいとの思いからお灸の効能を再確認し、深く研究するきっかけになった。その後、お灸の効能から83歳の今でも大きく体調を崩すことなく元気に働けている。

 

1・お灸で免疫力が上がる。

 お灸により白血球が増える。通常、健康な人間でおおよそ4000~8000/1μl存在する。お灸をすることにより、その数が平均で約2割ほど増加する。特にその中でも好中球がまず増加する。これが身体を守る力すなわち免疫力として発現することを意味する。

 ただし、今よく巷で用いられている『温灸』ではその効果は見られない。皮膚に直にするお灸『直接灸』でこそ効果が上げられる。

これはお灸の身体への侵襲性が必要なことを意味する。

 

2・お灸の普及を妨げる要因

・艾  (ガイシュ)を作るのに手間暇がかかる。

・直接灸の必要性を患者が充分に理解していない。

・病気を治すための治療法であることを理解していない。

・お灸による煙、匂いが服に付くなど。

・患者が熱くて灸痕が付くのを嫌がる。

などのデメリットがある。

 

3・電子灸たるN灸(Nakamura灸)

以上の直接灸のデメリットを克服するために電子灸たるN灸(Nakamura灸)を開発した。

特に、実際の火を必要としないこと、煙が出ないことは病院の中でも使用できるメリットがある。使用中は加熱部分の先端が光り、音が出ることで、通電加熱中かどうかの判別がし易くなっている。また火を使用しないことで視覚障碍の施術者でも安全にお灸をすることが出来る大きなメリットがある。

 N灸にはプロ用の75℃(米粒大と同温)5秒連続刺激、一般用の67℃(半米粒大と同温)4秒連続刺激がある。プロ用の物でもサランラップ一枚を皮膚上にかますことで4℃接触温度が下がる。サランラップを折りたたみ重ねることで合計8℃下げることが可能になり、一般用と同じ67℃(半米粒大)として使うことも可能である。

・N灸の灸痕は直灸のように皮膚は黒くならず、濃いピンク色に近い灸痕になる。

・刺激量は各ツボに5壮(5回)程度。刺激毎は痒くなるのは直灸と同じ侵襲程度。

 

4・N灸(Nakamura灸)の実験(抜粋)

実験1

N灸(67℃使用)刺激前後の白血球の推移。

被験者:12名、2回刺激

内訳:手・足三里、合谷の左右6穴、6名

   大椎、身柱、両風門、両肺愈の6穴、6名

結果:白血球、好中球の増加、リンパ球減少

ただし、施灸を継続的に続けるとリンパ球は増加に転じ、好中球などは平常値に戻る。

 

実験2

N灸(75℃使用)刺激前後の白血球の推移。

被験者:6名、週2回、2週間の計4回

内訳:手・足三里、合谷、三陰交の8穴

結果:白血球、好中球、リンパ球全てにおいて増加

 75℃(米粒大の温度)を使用することで侵襲性が高く、効果を得られやすい。代田文誌が著した鍼灸真髄でも、一つのツボに米粒大7壮するのが通常であると記載されており、熱刺激の侵襲性を再現している。

また別の実験から67℃(半米粒大の温度)でも回数を増やすことによってリンパ球が増加することも分かっている。

 

実験3(概要のみ)

NK活性化について。

NK(ナチュラルキラー)細胞は癌細胞、ウィルス感染細胞などを見つけ次第攻撃する大型のリンパ球である。

採決者の血清からリンパ球を分離して、これに51Cr-標的細胞(K-562細胞)を加えて培養し、NK細胞の細胞障害によって遊離する51Crを測定してNK活性とする。

このNK活性化に関しても有意値が見られた。

 

5・お灸と癌

通常は施灸3壮では痒くなりにくい。4~5壮据えると痒くなってくる。

 癌患者は癌の数値が悪いといくら施灸しても痒くならない。数値が改善してくると施灸することで痒くなってくる。

 体調不良を暫く我慢して病院を受診した方が、癌進行していると診断され1年保つかどうかという判断であった。癌と診断されてからその人は直ぐにお灸を始め、途中体調も回復した。腹水の関係で3年半目に病院に入院されることになり、お灸が中断すると体調が急激に崩れ亡くなった。入院中でもお灸が出来ていたらまた結果が違っていたのではないか。また、癌と診断された別の方では、切艾の小を更に半分にして患部上やその臓器の対応のツボに毎日施灸することで癌が無くなった事例もあった。

 1年しか保たないと診断された方が、3年半生きられたという事実。早めに対処することで消失した事実にお灸の底力の強さを感じている。

直接灸をする施術院が少なくなっている現在、いまこそ治せる施術家として本当のお灸の力を認識してもらえたらとても嬉しい。

 

 

★神戸地区学術講習会報告

       報告者:井上和哉

  開催日時:令和5年12月10日(日) 13:30~16:30

  開催場所:あすてっぷKOBE セミナー室3 および オンライン(Zoom)

  講師:寺子屋お産塾 代表 一橋アシラム院長 田中寿雄 先生

  講題:~妊娠・妊娠ライフ・お産・子育て~妊娠ライフと鍼灸医療

 

令和5年12月10日(日) 13:30より寺子屋お産塾 代表、一橋アシラム院長 田中寿雄 先生をお招きして「~妊娠・妊娠ライフ・お産・子育て~妊娠ライフと鍼灸医療」との演題で田中先生の長期に渡る臨床経験の中でも妊娠、出産、母乳育児について田中先生の奥様や娘さんやお孫さんのエピソードを交えてお話をいただきました。特に母乳育児における「母乳の質改善」については長期に渡り取り組んでおられ、その「母乳の質」が改善されたことは「赤ちゃんが教えてくれる」と。赤ちゃんは顔色を伺ったり気を使ったりで母乳の飲み方を変えたりはしないため母乳の飲み方で「母乳の質」が改善されたことを証明してくれるとのこと。そして、故 入江正先生に師事され奇経を使用した治療の実技供覧を複数の方に施していただきました。「母乳の質改善」には奇経八脉の中でも任脉、督脉、陰蹻脉、陽蹻脉が特に関係するとのお話でした。長期に渡り、一つのテーマについて何度も何度も繰り返し取り組まれたことで現在のような完成形の治療スタイルに到達できたのだと思います。田中先生のような治療の取り組み方や思考はとても重要なことだと改めて感じることができました。

 後半は田中先生のお弟子さんであるさいとうはり灸院の斉藤 裕美 先生にご登壇いただき、ご自身の臨床経験から鍼灸院、鍼灸師に欠けていることについてお話いただきました。斎藤先生はおっしゃいました「治療は回数が多い方がいい、長期間する方がいい」と。一般的に治療は短期間、少ない回数を求められることが多いですが、実際には治癒していくには時間がかかりますし、根本的な部分まで治療できていないと再発するケースが大半で、それでは治療とは言えないのではないかとのこと。そして、治療を継続するために鍼灸院や鍼灸師に欠けているものは「ゴール設定」ができていないことだと。つまり、患者さんも施術者も実感できる指標をしっかり設定し、その指標が改善したことを以て評価をするということでした。斎藤先生が専門とされているアトピー性皮膚炎の治療においては具体的には顎関節症の有無や腹部の血管拍動や脊柱の状態などを指標にされているそうです。あと、もう一つ重要なことは、睡眠状態が大切だとおっしゃっておられました。皆さんも臨床現場で患者さんの睡眠状態について問診をされているとは思いますが、少し深掘りして問診していただくといいかもしれません。

 田中先生の長期間に渡る膨大な数稽古から得られた技術や心構え、斎藤先生の患者さんとの向き合い方や治療に対する考え方はいずれも非常に大切なことだと改めて実感することができたご講演でした。こういう症状にはこのような治療というような小手先の技術ではなく、本質的な部分に焦点を合わせることは本当に大切なことだと思いました。

 

 

★令和5年度神戸地区講習会 第2弾 事業報告

   報告者 井上和哉

  開催日時:2024年3月3日(日) 13:30~16:30

  会場:神戸市中央区文化センター11階 会議室1001号室

  講師:学校法人 呉竹学園 臨床教育センターManager 船水隆広 先生

  講題:「メンタルヘルスや美容に安全で効果的なテイ鍼テクニック【TST】の理論と実技」

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 去る令和6年3月3日13時30分より神戸市中央区文化センターにて学校法人 呉竹学園臨床教育センターマネージャー 船水隆広 先生をお招きして「メンタルヘルスや美容に安全で効果的なテイ鍼テクニック【TST】の理論と実技」との講題で講義と実技供覧を行っていただきました。

 講義の冒頭に船水先生が関わっておられる様々な活動のご紹介があり、教育現場だけでなく、海外も含めてご活躍されていることに感心させられました。その中で、テイ鍼を使用されるようになった経緯のお話がありました。船水先生はうつ病やパニック障害などメンタルヘルスにご興味がありそういった患者も多く施術されていたそうです。メンタルを患っている方は皮膚が過敏になっている方も多く、刺入するタイプの鍼は手技としてはソフト刺激であったとしても受け入れてもらえないことが多く、であればとテイ鍼を使用されるようになったということでした。さらに、現在流通しているテイ鍼は先端が細く、皮膚への刺激が強いこともあり、オリジナルのテイ鍼を作成するに至ったと。また、テイ鍼のみで施術が完結するような施術を行っているような文献もなかったことからオリジナルの手技を構築するに至ったとのことでした。

 メンタルを患っている方の治療の一環として顔の血色をよくしたり、表情を作るために口角を上げやすくする目的などで顔面へのアプローチを行うことで患者の状態が一段階改善することにもなり、同時に美容的なアプローチの理論構築にも繋がっていったとのことでした。

 船水先生は人体解剖も数多くされており、顔面についてはたくさんの筋肉がついているが、筋層はとても薄く、血流が悪くなると状態がすぐに悪くなるため、気血の流れを改善し、顔面の血流を改善し、筋や皮膚の状態を改善していくとのことでした。

 船水先生が考案されたテイ鍼についてもご紹介いただきました。主に使用されるテイ鍼はソフトな形に加工された鍼先と反対側には球状になっており、鍼体には溝が切ってあります。気を流して治療していくと説明をすると気がわからないという施術者が必ずいて、そういった方でも気を流すことができるようにするために溝が切ってあるそうです。船水先生は「気は固有振動数」という考えをお持ちで、鍼体の溝を指を滑らすことで振動が発生し、気が分からなくても気を流せるということだそうです。気は生命体の持つ波動の一種だと私は考えているのですが、固有振動数という考えは共感や新鮮さを感じました。

 後半の実技供覧ではモデル患者に対し、船水先生がされている基本的な手順と、それぞれの部位に、どのような手技を施していくのかということを詳しく説明していただきました。患者の状態によって施術部位や刺激量など変化はすると思いますが、基本的には胸腹部、四肢、背腰部、頭頸部、顔面とまさに全身治療でした。

 非常に内容の濃いご講演で消化不良になっている方も少なくないと思いますが、テイ鍼ならではの手技やテイ鍼だからこそ行いやすい部位など日々の臨床にプラスしていただければ幸いです。

 今回も会場とオンラインのハイブリッド方式での講習会開催といたしました。会場準備、撮影等、ご協力いただいた先生方に感謝申し上げます。

  *文字化けの防止のため「テイ鍼」と表記しています。

 

 

★神戸ブロック臨床研修会を経て

  垂水地区学術担当 佐々木 文孝

 

 日時:令和6年2月23日(金)13時30分~16時30分

 場所:神戸市立総合福祉センター第1会議室

 講演テーマ

 高齢化社会における、伝承医学の役割「不老長生と、道教思想」

 講師:中華伝承医学会 会長「ベーネ御影治療院院長」 呉光崑先生

 

 前半は、伝承医学について様々な話を聞きました。

不老とは、年を取りにくくするということで、漢方では人間の寿命は胃腸で決まる。

バランスの良い食事を食べて、胃腸の蠕動運動をよくして、胃の中に長時間異物を残さないことが大切。門脈を通り、肝臓に栄養を運び貯蔵し、必要に応じて全身を巡り、余分なものを残さない。これが溜まりすぎると、癌などの原因になると話された。

また漢方では、形を整えて五感を養うことが必要と話された。

形というのは、俗にいう体の姿勢のことと解釈した。

 不老長生の話に引き続き、古来の治療法について、鍼や灸、按摩・マッサージ、整体などは暴力であると話されました。何を言っているんやと唖然としましたが、これは正しく診察をしてツボを選び、鍼灸や按摩などをすることが大切ということで、素人がするととんでもないことになると言う話でした。

 後半は、人迎気口・脈診法について簡単な講義と実技体験をしました。

経絡治療をされている人はわかりやすかったと思いますが、私にとってはちょっと難しかったです。しかし、脈を調べるだけで、どの経絡が「実」したり「虚」したりしているかがわかるのは、今でも不思議に感じます。

先生は、日頃の治療において、常に脈を診る習慣が必要と言われました。

脈診ができると効率の良い治療ができると話されました。

先生は、デンマークのコペンハーゲンでも開業されてたという実績もあり、その時の治療にまつわる話も聞きたかったと思う。

 

 

【保険だより】

「マイナ保険証のオンライン資格確認について」

令和6年4月より、受領委任払いをおこなう柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師の施術所等でオンライン資格確認(資格確認限定型)が開始されます。

オンライン資格確認とは、マイナンバーカードを用いて、患者の保険資格の情報を確認する仕組みです。施術所等の端末(パソコン・タブレットに接続した市販の汎用カードリーダー、スマートフォン、タブレット)を用いて患者のマイナンバーカードを読み取り、患者の保険資格情報をその場で確認できます。

 

保険取扱会員様は、施術所等向け総合ポータルサイトからお手続きをお願いいたします。

ご不明な点等がありましたら、コールセンターにお問い合わせください。

【コールセンター】0800-080-4583

(月~金8時~18時・土8時から16時・祝日除く)

 

 

【広報部 お知らせ】

1.メールアドレス登録のお願い

 現在県師会へメールアドレスの登録をされている会員さんは100名余りです。本紙は昨年度より年3回と少なくなりました。よって、情報が古いものになりますので、常に新しい情報を取得するにはmAm(マム)への登録が必要となります。

mAmは毎月発信しております。それに加え、緊急性のある情報は「臨時情報mAm」として、その都度発信しております。

 スマホのアドレスで構いませんので、是非登録をお願い致します。

《メルアド登録先》

県師会事務所:info@mam-hyogo.or.jp

 

2.ホームページパスワード変更のお知らせ。

 すでにご承知の通り、県師会ホームページの「会員専用ページ」にアクセスするには「ID・パスワード」が必要です。パスワード変更(年1回)の際は、月刊情報mAmのメール配信にてお知らせさせていただきますので、各自で設定変更してくださいますようお願い致します。

 本紙の発行は、mAmより遅くなりますので、スムーズにパスワード変更が行えるよう、是非メールアドレス登録をお願い致します。

ID/PWのお問い合わせは、県師会事務所(上記アドレス)若しくは

TEL (078)-926-0801   FAX (078)-926-0802 まで。

 

 

《事務局 報告》

=会員情報=

(令和6年1月1日~3月31日)

新規入会 0名  退会  12名

令和6年3月31日現在 241名

 

♪ゴールデンウイーク休業日のお知らせ♪

 当事務局は下記の通りゴールデンウイークを休業させていただきます。大変ご不便をおかけしますが、宜しくお願い申し上げます。

休業日:4月27日(土)~29日(月)・5月3日(金)~6日(月)

◇◇編集後記◇◇                         

《ポークチャップ》

 今回は簡単ポークチャップをご紹介します。

本当に簡単なのは、焼いた豚肉にケチャップをかけるだけ! これでは余りにも味気ないですよね。そこで簡単ではあるが、ちょっと本格寄りのレシピを考えました。

お試しください。

※ここでは、業務スーパーの「トリノで作ったトマト&バジルパスタソース」を使います。焼き肉のタレはご自宅にあるものを使ってください。

 

《材料》1人前

・豚肩ロース(トンテキ用)・・・1枚

・トマトパスタソース・・・大匙3

・焼き肉のタレ・・・大匙1

・ウスターソース・・大匙1

・塩こしょう・・・少々・

 

《作り方》

1.ソース:トマト&バジルパスタソース:焼き肉のタレ:ウスターソース

     3:1:1の割合でボールに入れて混ぜておく。

2.豚肉を包丁の先で叩く(筋切り)。

3.豚肉の両面に軽く塩コショウをする。

4.熱したフライパンで両面をしっかり焼く(片面1~2分)。

5.豚肉が焼けたら1のソースを入れ、フタをして2~3分加熱。

6.一口大にカットし、フライパンに残ったソースを少し煮詰めてかけてお召し上がりください。

 

                      (広報部長:天野 豊)

 

【発行所】 公益社団法人 兵庫県鍼灸マッサージ師会

      一般社団法人 兵庫県保険鍼灸マッサージ師協会

 

〒673-0018 明石市西明石北町3丁目8番15号

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【発行者】会長 賀内進一   【編集担当者】広報部長 天野 豊

 

 

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